突然、羽アリが家の中に発生してびっくりされているところでしょう。
羽アリが発生しても、むやみに殺虫スプレーを散布しないことです。
羽アリが発生したら、まずは、発生原因について特定し、適切な対策を行いましょう。
このページでは、羽アリの発生原因についてお伝えします。

羽アリの発生原因

初めに、羽アリの発生原因について知りましょう。

羽アリの発生原因は2つ

羽アリの発生原因は2つあります。

「建物の外から飛んできた」ケースと
「家の中にシロアリかクロアリが営巣している」ケースの2通りの発生原因が考えられます。

《原因1》羽アリが建物の外から飛んでくる

初めに、建物の外から飛んできたケースについて説明します。
羽アリは、家の庭や近所の家や公園などに何かしらの発生原因があり、
家の外から網戸など家の隙間から宅内に入ってくることが多くあります。

多くの昆虫には、光に集まる習性(走光性)があります。
その為、夜中に家の光が窓から漏れていると、外で発生した羽アリが光が漏れている家に集まり、網戸や玄関などの隙間から家に入ってくることがあります。

梅雨の夜に発生する茶色い羽アリは、光に集まる習性が強く、
サッシの隙間をくぐって家の中に入ってくることもあります。

羽アリの飛来対策としては、
羽アリの時期は、家の灯りが外に漏れないように夜間はカーテンをしっかり閉めておく、
羽アリが入ってこないように窓を閉めておくことです。

また、昆虫の視覚が認識しにくい波長の紫外線の少ないLED照明を活用する羽アリ対策などがあります。

参考:羽アリはなぜ光に集まるのか

《原因2》シロアリやクロアリが建物に営巣している

次は、もう一つのケース、シロアリやクロアリが建物に営巣して
羽アリの発生原因となっている場合についてです。

シロアリとクロアリは、生態は異なりますが、建物の中に営巣することがあります。
シロアリは木材を食べ、クロアリは主に糖類を食べます。
シロアリは、枯れ木と建物の柱の違いの区別はつきませんので、
建物を餌場と思って営巣することがあります。(いわゆる、シロアリ被害です。)

また、クロアリは、
自然界では、土中や湿った朽木の中に巣を作りますが、
建物の木材中に営巣することもあります。

いずれも、建物に営巣をしていることが発生原因となっている場合は、かなり大量の羽アリが出てくることがほとんどです。
大量の羽アリが発生すると、
皆さん、殺虫スプレーなどで駆除を試みますが、殺虫スプレーでは駆除は困難です。
シロアリもクロアリもその生態の特性上、集団で生きていますので、
根本的な建物での「営巣」の原因を絶たない限りは、大量発生を繰り返してしまいます。

シロアリとクロアリでは駆除の方法が違いますので、
まずは家に発生している羽アリが、
シロアリかクロアリかを判断しましょう。
シロアリの場合は、家の柱や土台を食害しますので、特に早めに専門の業者に相談をして対策をしましょう。

参考:羽アリの種類と見分け方

羽アリが家の中から大量に発生する理由

ヤマトシロアリの羽アリ

ヤマトシロアリの羽アリ


さて、羽アリは何故、家の中に営巣して大量に発生するのでしょうか?

シロアリは、木材中のセルロースという成分を栄養としていて
木材を餌としていますが、シロアリには、枯れ木や倒木と家の柱との違いが判りません。

蟻道(ぎどう)

床下のシロアリの通り道(蟻道)

その為、シロアリ対策を行っていなければ家を餌場だと思ってシロアリが侵入して、
たちまち仲間のシロアリを呼んで住み着いてしまいます。

シロアリ
シロアリは数万匹以上の大家族で、大きな巣になると100万匹を超えると言われます。
巣の中心である親の女王や王アリは常に産卵をして繁殖しており、
家族がある程度大きくなると、一年のうちのある時期に一部のシロアリは羽を生やして一斉に飛び立ちます。
そして、陸に降りた後は、羽を落とした雄と雌が対となって新しい家族を築こうとします。

これが、シロアリが間違えて人の家を餌場と思って住み着くと、ある日突然、大量の羽アリが家中に発生してしまう理由です。

シロアリの羽アリが飛び立つ時期は決まっており、
4月~5月頃にはヤマトシロアリの羽アリが、梅雨時期にはイエシロアリの羽アリが、巣別れのために一斉に飛び立つ習性があります。

また、クロアリは、
壁の僅かな隙間などから家の空間に侵入をして営巣したり、
シロアリ被害や木材腐朽などで朽ちた土台や柱などに営巣することがあります。

クロアリもシロアリと同じように、ある程度の巣の大きさに成長すると
一部のクロアリが一年のある時期に羽を生やして一斉に飛び立ち、新たな家族を築こうとします。

クロアリが飛び立つ時期も種類によって決まっています。

繰り返しになりますが、
シロアリとクロアリは生態が違い、駆除の方法も違います。
(シロアリはアリの仲間ではありません。)

羽アリが大量に発生している場合は
羽アリの種類を見分けて、
それぞれに適した専門業者に相談すると良いでしょう。

参考記事:羽アリ大量発生の原因と駆除方法

羽アリの種類を見分ける簡単な方法は、
羽アリの前後の羽を見ましょう。

シロアリの羽アリは前後4枚の羽の大きさが同じですが、クロアリの羽アリは前後4枚の羽の大きさが違います。
また、シロアリの羽アリは、飛行を終えてしばらくすると羽を落とします。
大量に発生した羽アリがシロアリの場合は、シロアリ被害が原因の可能性が高いですので、早期の対策が必要です。
シロアリ被害を放置しておくと、柱や土台の空洞化が進み、建物の強度低下に影響してしまうからです。

シロアリ被害の対策は、
まずは、シロアリの発生原因を特定することから始めます。
いわゆる、「シロアリ調査」です。

シロアリは、地中から蟻道(ぎどう)を呼ばれるトンネル状の道を基礎などの建物の立ち上がり部分に作って、家の中に侵入してきます。
したがって、シロアリ調査では、蟻道(侵入経路)の確認や、被害、シロアリの種類の確認のために、床下に入る必要があります。
そして、シロアリ被害を確認したら、シロアリの種類、侵入経路、家の構造などを考えて、駆除を行います。

例えば、ヤマトシロアリは、湿度の高い環境を好み、主に一階部分への被害を及ぼしますが、
雨漏りで柱が湿っていると、天井まで被害が及ぶこともあります。

また、ヤマトシロアリは、少数から繁殖する能力が高く、無数にコロニーを形成するため、液剤散布による駆除方法が一般です。

イエシロアリは、天井裏まで被害を及ぼすことができ、一カ所の侵入経路から家全体へ被害を及ぼす能力があります。
イエシロアリの大きなコロニーでは、百万匹以上の数になるとも言われます。
そのため被害スピードも速く、シロアリ被害を放置しておくと、家屋に甚大な損傷が及ぶことがあります。
イエシロアリは、コロニーが固定しているため、ベイト工法といわれる駆除方法が効果的です。

このように、シロアリ駆除は種類や被害状況によって駆除方法を考える必要があります。
安易な薬剤散布を行うことによって、シロアリ被害が拡大してしまうことも珍しくありません。
シロアリ駆除については、専門業者に依頼する方が賢明です。

いずれにしましても、羽を落とす羽アリが大量に発生している状態でしたら、
シロアリ被害の可能性が高いため、早期にシロアリ駆除業者にシロアリ調査を依頼して対策を相談されることをお勧めします。

羽アリの種類

ここからは、
羽アリの種類について詳しくお伝えします。

シロアリの羽アリ

まず、日本でよくみられるシロアリの羽アリを紹介します。

ヤマトシロアリの羽アリ

ヤマトシロアリの羽アリ

ヤマトシロアリの羽アリ


写真のように黒っぽいシロアリの羽アリは、ヤマトシロアリと呼ばれます。
ヤマトシロアリは、北海道の一部地域を除いて、日本全国に分布しているシロアリです。

ヤマトシロアリの羽アリは、
九州北部では、3月頃から飛来がみられますが、
全国的に多くの地域では4月下旬頃からゴールデンウィーク辺りをピークに飛び立ちます。

尚、東北地方など全国平均よりも気温が低い地域ではゴールデンウィーク明け頃から、
青森県や北海道では5月下旬から6月にかけてヤマトシロアリの羽アリが飛び立つ傾向にあるようです。

イエシロアリの羽アリ

イエシロアリの羽アリ

イエシロアリの羽アリ


写真のように梅雨時期にみられる茶色い羽アリは、
イエシロアリの羽アリです。

イエシロアリは、主に九州、四国、本州の瀬戸内沿い、兵庫、大阪、和歌山の一部地域など千葉県以南の海岸沿いに面した地域に生息しているシロアリです。

イエシロアリは、木材を加害するスピードがかなり速く、床下だけでなく、小屋裏など家全体に被害を及ぼす能力を持っています。

したがいまして、イエシロアリ被害を長い間放置しておくと、
耐震性にも影響を及ぼすなど重度の被害となり修復に多額の費用が必要となることがあります。

アメリカカンザイシロアリ

アメリカカンザイシロアリの羽アリは、
海外からの家具などが原因で日本に侵入してきた外来種です。

局所的な地域で被害がみられます。

アメリカカンザイシロアリの羽アリの飛来は
6月頃と9月頃にみられます。

シロアリの羽アリは、木材を食べます。
木材の表面を残して食害していきますので、
見た目は分かりにくいですが、
放置しておくと、柱や床の強度に影響をしてしまいます。
シロアリの羽アリが大量に発生している場合は、専門のシロアリ業者に相談し、
早めの対策をされることをお勧めします。

クロアリの羽アリ

次は、日本でよくみられるクロアリの羽アリについて紹介します。

イエヒメアリ

イエヒメアリは、
体長2〜2.5mm程度、全体的に淡黄色です。
(ヒメアリよりも一回り大きく、腹部以外に光沢がありません。)

1つの巣に複数の女王がいるため、
数万匹もの働きアリがいる大規模な巣を作ることができます。

イエヒメアリのコロニーは、
餌を求めて移動を繰り返し、固定した巣を作りません。

壁の亀裂や壁と柱との僅かな隙間などから
家の空所に侵入して巣を作るため、巣の場所の特定が難しく、駆除が困難です。

雑食性で、肉・魚肉・チーズ・バター・パン・砂糖・菓子など様々な食品を餌とします。

トビイロケアリ

トビイロケアリの羽アリは、7月~8月にかけてみられます。
体長は、2.5〜3.5mm、全体的に暗褐色で全国的にみられます。

糖類のほか、魚や肉類の乾物も好み、
家の中にもしばしば侵入をしてきます。

木材は食べませんが、人間に噛みつくことがあります。

自然界では、土中や湿った朽木の中に巣を作りますが、
建物の木材中に営巣することもあります。
シロアリや木材腐朽などで劣化した建物の木材に営巣した場合は、木材中で巣を拡大させるため、木材腐朽が進行させることがあります。

アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリは、体長 約2.5mm程の大きさで、体色は黒褐色です。
その名の通り、南米が原産地ですが、世界的に分布を拡大しており、
日本でも分布範囲を広げているクロアリです。

アルゼンチンアリは、
家の中のお菓子、果物など動物質、植物質に関係なく多種のものを餌とし、
集団で宅内に群がってきます。

アルゼンチンアリの1つの巣の中には、多くの雌が住んでいるため
非常に繁殖能力に優れています。
分巣を作るだけでなく、分巣したアリは、同じ巣の個体のように分巣同士を行き来するため、
大規模なコロニーとなります。在来種のアリが駆逐されることがあるほど、繁殖能力が旺盛です。

人間に対しては、噛みつくことがあるため
家の中で発生している場合、
心理的負担によって不眠となる被害もみられます。

オオハリアリ

オオハリアリの羽アリは6月~9月にかけてみられます。

オオハリアリは、
肉食性で、シロアリを好んで捕食するため、
シロアリ被害が多くみられる台所や風呂場など湿度の高い場所の木材中や、コンクリートの割れ目の中などに営巣することもみられます。

オオハリアリの腹部先端には毒針があり、
人を刺した場合は激痛を受けます。

このページでは、羽アリ駆除の方法について紹介します。

羽アリ駆除について

羽アリ駆除は、「発生原因」と「羽アリの種類」によって対策と駆除方法が変わります。

まず、羽アリの発生原因についてですが、
羽アリは、家の中から発生している場合と家の外から飛んできている場合の2つのケースがあります。

したがって、羽アリがどこから発生しているのかを判断する必要があります。
参考:羽アリの発生原因の調べ方

羽アリが家の外から飛んできている場合の対処法

羽アリは、家の外から飛んできて家の中でみられることが多くあります。
例えば、庭や近くの公園、ご近所の家が羽アリの発生原因となっている場合です。

目の前の羽アリは、殺虫スプレーなどを使用しなくても簡単に死にますが、
発生原因は家の外にあるため、
羽アリの飛来時期であれば、何度も家の外から侵入してくることがあります。

そこで、

1、家に羽アリが近づかないようにすること、
2、家の中に羽アリが入って来ないようにすること(物理的対策) が必要です。

昆虫は光に集まる習性(走光性)があり、
夜間に部屋から灯りが外に漏れると、
羽アリが集まって来てしまいます。

そのため、
羽アリが外から家の中に飛来してくる場合には
羽アリを呼ばないように
羽アリが飛来する時期の夜間は、カーテンをしっかり閉めて、光が外に漏れないようにしましょう。

また、家に入って来ないようにするためには、網戸など
家の隙間を無くすことも重要な対策です。

羽アリが外から飛んできて
家の中で這う羽アリが気になる場合は、
家の灯りが家の外に漏れないようにすることと、
極力、家に隙間を作らないように窓閉めるなどの物理的な対策を心がけましょう。

羽アリが家の中から発生しているときの対処法

さて、
ここからは、家の中が発生源となっている場合の対策についてです。

大量の羽アリがみられる場合は、
家の中に羽アリの発生原因となっている
シロアリかクロアリが営巣している可能性が考えられます。

駆除を行うには、シロアリなのかクロアリなのかを判断する必要があります。

というのは、
シロアリとクロアリは名前はどちらも「アリ」と似ていますが、
昆虫学上の分類では、全く異なる種類で、
駆除方法が違うためです。

また、シロアリは家の柱や土台などの木材を食べますが、クロアリは食物を食べ、木材は食べません。
シロアリ被害の場合は、放置しておくと
柱や土台の強度に影響し、家が劣化していくため
特に早期の対策が必要となります。

まずは、大量に発生している羽アリが、
シロアリなのかクロアリなのかを判断しましょう。

見分け方は簡単です。

シロアリとクロアリの羽アリ

上のイラストのように、
シロアリの羽アリは胴体が寸胴で前後の羽の大きさが同じですが、
クロアリの羽アリは胴体がくびれて、前後の羽の大きさが違います。

また、シロアリの羽アリは陸に降りた後、羽を簡単に落とします。(クロアリは落としません。)

参考:羽アリの種類と見分け方

シロアリもクロアリも
羽アリの原因を絶つために、完全に駆除を行う必要があります。

シロアリ駆除・クロアリ駆除は、
薬剤散布やベイト剤を用いて駆除を行いますが、

シロアリの場合は、
駆除が難しいことに加えて、
駆除の失敗によってシロアリが新たな道を作ったり、時間が経過することによって
被害が拡大するなど家屋に損傷に影響するため、
最初からプロの業者に依頼することをお勧めします。

ちなみに
一般的なシロアリ駆除の方法は、液剤による駆除とベイト工法の2種類に大きく分かれます。
液剤散布は、シロアリ防除薬剤を水で希釈して、被害部分の木材に注入・散布して駆除する方法です。
ベイト工法は、シロアリに脱皮をさせない薬を食べさせて駆除をする方法です。
いずれも対象となるシロアリや建物の造りによって有効な対策方法は変わります。

クロアリの駆除は、まずは、自分で試みてみるのもよいでしょう。
ただし、薬剤散布よりも、ベイト剤を用いた駆除方法をお勧めします。
理由は、薬剤散布で駆除を試みたけども駆除できず、業者に依頼したときに、
アリが警戒してしまい、毒餌に食いつかないことがあるからです。
ただし、クロアリも人間に噛みつく種類もいますので、
あまりにも被害が酷い場合は、初めから専門の業者に依頼をされる方が良いでしょう。